西野くんの偽カノジョ



女子達の視線と声を抜けながら西野くんと歩いていると



「葵〜!」



と前から綺麗でまるで人形のような女の子が歩いてきた。



「つばき…」



今名前で呼んだ。



もしかして西野くんの好きな人?



そう思ったら何だか胸が苦しくなって痛かった。



「おはよう、あれ?こっちの女の子は?」



優しく笑ってあたしの方を向くつばきさん。



「えっと…梶田結衣です。」



何言ったらいいか分からなくて結局名前しか言えなかった…



印象悪かったらどうしよう…



「結衣ちゃん?可愛い名前だね。私、野村つばきです。よろしくね!」



「…よろしくお願いします。」



つばきちゃんと会った時には手は繋がれていたのにいつの間にか手は離されていた。



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