藍色のキミへ
「中山さん、すいませんでした」
病室に戻っての、俺の第一声はそれだった。
「はい?」
そりゃそうなる。
理由もなく謝られたら。
「俺、中山さんのご飯のこと知らなくて無神経なこと言っちゃって………、ごめんなさい」
「なぁんだ、そんなことですか?気にしないでください、私なにも気にしてないですから」
「…………」
「長沢さんは、なんで入院してるんですか?」
「え?じ、事故に遭って…」
「私はね、小さい頃から喘息持ちでこの前発作が出ちゃって入院してるんです」
「そうなんですか…」
「でも、ラッキーだったと思いました、まだこうして生きているんだから」
なんて強い人だろうと思った。
「それに、ここから少し離れているけど海が見えるでしょう?私、海が好きなんです、だからとっても幸せです、私は海に嫌われちゃってますけどね」
そして、また中山さんはニコっと笑った。
「宇宙さんって、呼んでもいいですか?」
この病院生活に、光が射した気がした。