藍色のキミへ
たくさん話しをした。
中山さんは、高校2年生で彼氏がほしいお年頃とか。
俺は、記者をやっていて、いつか小説も書いてみたいとか。
中山さんは、退院したら海に行きたいとか。
他愛のない話を、日がくれるまで話した。
他愛もない話をしすぎて、感覚がマヒしていたんだろう。
そうに決まっている。
今、目の前で起きていることは夢だと思う。
「薬、飲んでなかったの?」
「…わかりません」
「わかりませんって、長沢さんと1日中話していたんでしょ!?なんでわからないの!?」
「…ごめんなさい」
「まぁ、今回は大事に至らなかったってことで良しにしましょうよ」
半分キレぎみの看護師さんを、俺と看護師さんの間に先生が入って宥める。
本当に急にだった。
楽しく談笑していたら、急に中山さんが苦しそうにして…
どんどん顔色が悪くなって…
それで、急いでナースコールを押した。
まだ、目の前の出来き事の理解に苦しんでいる。
隣のベットには、中山さんが点滴に繋がれて眠っている。
こんなに健康そうに見えるのに、普通の女子高校生と変わりなく見えるのに…
中山さんは、こんな小柄な体で大きい病気と戦っていたんだ。