君の肌を壊す夜



気がつけばあたしの上に馬乗りになって


あたしを抱きしめるように


お腹に突き刺した包丁。





「は…る…と…」



「お前が悪い。

お前が悪い。

何度も何度も俺を裏切る。

俺を独りにする。」


「違…う…」


「彼女から離れろっ!!」


優貴の叫び声が聞こえて


その後


霞んでいく視界。


「俺も一緒に死ぬから。」


泣き声のように聞こえた大翔の声。



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