キミがいた夏~最後の約束~
寄り道





久美と私は家が反対方向なので、校門のところで別れた


いつもなら綾香が一緒だから寄り道して帰ったりするけど今日は一人



色々考えたけれど、今帰ると『鉢合わせ』してしまうのでどこかで時間を潰して帰ることにする




すると自然と海に足が向いていく







ザザ―…ザ―‥
ザザザザ…―‥





海に着くと素早く自分の定位置に座り、波の音に耳を傾ける




落ち着く…




とても静か




そう思って周りを見ると、今日は『橘先輩』はいないようだ



それでこんなに静かなんだね



肌を撫でる潮風がまだ心地いい
肩に付くぐらいの私の髪をそよそよと揺らす



ここに来だしたのはついこの間からだ




それまではなんとなく足は遠のいていた



とても来れるような心境でもなかった






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