キミがいた夏~最後の約束~
はっ!
ボーッと前を見ていた瞳の焦点が突然に合う
そこには唐突に夕闇がせまっていた
え?あれ?なんで?
やばい!またトリップしてた?
ああ、ここは何でこんなに居心地がいいんだろう
しかももう6時になろうかという時間
自分に声を掛けられたと思わず、時計に顔を落としていたその時
「シカト?」
もう一度、声がした
間抜けにもやっと自分に掛けられた言葉に気付き、ゆっくりとその声のする方に顔をあげる
ウエットスーツに身をつつまれた、細いけれどよく引き締まっているとはっきりとわかるその距離
端整なその顔は
夕日の赤に照らされて
女の私から見てもとても綺麗…
そこには
『橘先輩』が立っていた