キミがいた夏~最後の約束~
同じ痛み





その日


私は驚いていた


「あなたが渚様の新しい彼女ですの?」


テイクオフでいつも通りバイトしながら、オーダーを取りに行ったらそんなことを言われた


渚様…?


ですの…?


何か独特のしゃべり方をする目の前の彼女


腰まで伸びるふんわり茶色がかったクルクルウェーブヘア


目はアイメークと付けマツゲをしているせいですごく大きい


でもそれを上品に見せている、小さな口と白い肌


フリフリの服装も彼女にはすごく似合っている


何かフランス人形を思わず思い出してしまった


私はその女の子に

『そうですの!』

…っとは言えなかった


なんとも気のない返事をするしかなかった


「は…はあ…」


すると彼女はそのキラキラバサバサの目で私をギッと睨み付け


「あなた、渚様を独り占めしてどういうおつもり!?」


え?


「渚様は皆のもの、言わば公共物と言っても過言ではありませんわ!」


私はその彼女の剣幕に押されて思わず謝ってしまう


「は、はい、すみません」






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