空を見上げる皇帝ペンギン。
マグロのようにずっと



コートに入った周防くんは、歓声に包まれた。まるで王子様。私はそんな周防くんの背中を目で追う。

さっきまで近くに居たのになぁ…。

距離が近くなった分だけ遠くなるだなんて、寂しくってならない。

私は応援席の方へ歩いて行く。階段のようになっている場所に座る。結局、周防くんの姿は小さい。

あまりバスケとか、陸上とかのルールは分からない。きっと、あの甲高い応援をしている中には、私よりそういうことに詳しい子が沢山居て。

周防くんがダンクシュートを決めた。

周防くんと付き合いたいと思う子が、沢山居るんだろう。



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