せめて、一緒にいてよ。
ドア越しに、なんどもあたしを部屋から出そうとしていた“ある執事”を追っ払い、あたしは部屋で1人、クッションを抱えながら罪悪感に苛まれていた。
「はあぁぁ〰〰…。なんてことしちゃったんだろ…」
今にも涙が零れてしまいそうな目。
い、嫌だなぁもう。あたしは強いの。伊澤の御曹司の娘よ? つまりは正真正銘のお嬢様なの! だから、そんなお高い人が泣いたりしちゃダメなのよ。許されないのッ!
「……」
ぐする鼻を擦って、あたしは再びクッションを抱きしめた。
あの執事――八柳
(更新ちょっと泊まります)