【短編】愛していたよ.....
私はお母様とお父様の喜ぶ顔が見れるならそれでいい。



今でも愛してるけど、口には出して、愛してると言えない君へ。



君は今、どんな場所で、どんな顔で、どんな思いでいますか?



泣いてる顔だけはして欲しくない。



私は君の笑顔が1番、大好きだったから。



「お父様、お母様、ありがとうございます」



「あんなに小さかった波里がもう、嫁に行ってしまうのは少し、悲しいものだな」



お父様は少し、悲しそうに微笑む。



「そんなっ、お嫁に行っても私はお父様とお母様の娘。それは変わりませんわ」



「波里は嬉しい事を言ってくれるな」



お父様は泣きそうになりながら、笑ってくれる。



「本当よ。こんなにもいい娘に育って、私は嬉しいわ」



お母さんもまだ、涙を流しているけれど、笑ってくれる。



こうして、お父様とお母様が笑ってくれるなら、私は望まない結婚でも悔やみはしない。



君を傷つけてしまってごめんね。



君はこんな結果なら、出逢いたく無かったかな?



でもね.........



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