魔界動乱期
やがて妖狐の魔力に刺激されたリマ兵が、妖狐を囲みだした。

十魔、百魔、千魔……。
妖狐の歩みが進む程にリマ兵が数を増やしていく。

「妖狐だ!妖狐が一魔で攻めて来たぞ!!」

リマ兵達が一斉に魔法攻撃を仕掛けるが、妖狐に当たる前に全てが消滅する。

【邪魔する者は消すぞ?】

妖狐は前方に群がるリマ兵に対し、大きな‘真空'を放った。
ズボボボボ……、と、空気とリマ兵を飲み込み、妖狐の前に道が出来る。

「くっ!魔法は消される……、皆、妖狐に飛びかかれ!」

何百というリマ兵が妖狐に飛び掛かるが、妖狐は全身から高熱度の透明な炎を発した。
炎に触れたリマ兵は一瞬の内に消滅する。
やがてリマの主力や影達も集まり、妖狐の前に立ち塞がった。

「妖狐!我ら影にズタボロにされたのを忘れたか!」

【ヌシらは誰だ?】

「嫌な記憶は思い出したくないか。ならば今度はここにいる何万という兵で貴様の体を蹂躙してやろう!!」

影達は、妖狐をあのときの妖狐と考えていた。
しかし今、目の前に立っているのは全く別。
敵を殺す事に何の感情も持たない、冷酷非道の魔族。
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