ブラッディマリー
 

 抱き留めて、気を失った彼女を助けた責任くらいは取らないわけにもいかず、寒さを感じる店内にびしょ濡れの彼女を休ませるわけにもいかなかった。


 着替えを用意してからシャワーを浴びていろ、と言い残し、和はコンビニで少し時間を潰した。


 何となく飲み足りなくてビールを買って帰ると、彼女は用意したスウェットを身につけ、手持ち無沙汰な様子で座って待っていた。





「……あたし、万里亜っていうの。歳は、17」



 着替えをありがとう、と続けた彼女にビールを渡すのは躊躇われて、和は冷蔵庫のミネラルウォーターを手渡す。



「腹、減ってない?」



 答えに迷う万里亜に、和はコンビニで買ったサンドイッチを差し出す。



「……いいの?」


「いらなきゃ置いとけばいいし」


「……いただきます」


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