ブラッディマリー
 

 少し恥ずかしそうにしながら、万里亜はサンドイッチをもそもそと食べ始めた。


 ビールを飲むには、今日は少し冷えている。けれど和は構わずプルトップを引いた。


 こんな妙な夜は、さっさと眠ってしまうに限る。



 17歳。


 今日は一度やったし、7つも下の少女にわざわざ変な気を起こすこともないだろう。



 そんなことを考えながら、和は勢いよくビールを飲み下した。



「……ふぅ」



 ようやくサンドイッチを食べた万里亜は、包みをコンビニの空き袋に入れながら息をついた。和の開けた500mlの缶ビールは、少ししか残っていない。



 薄暗い部屋の中にも充満する、雨の匂い。寒くて湿気ていて、あまり快適とは言えない。


 和は、ふと携帯を見た。常時液晶画面に流れるニュースの字幕には、雨はまだ続くと出ている。


 和は小さく息をついて、携帯を閉じた。

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