ブラッディマリー
 


 涙は彼女の罪悪感。


 恐怖は彼女のトラウマ。



 和は自分にその痛みが伝染した気がして、胸が締め付けられた。



「……万里亜、俺は……お前の兄貴じゃないから」


「……っ」



 万里亜の瞳にじわっと涙が浮かび、ぽろぽろと零れる。その頬に口づけると、和は万里亜の腰を抱き寄せ、そのままゆっくりとあてがう。



「あっ、あ……」



 直接伝わるその熱さに、堪らず寄せられた眉根が和を誘い、煽る。


 万里亜の口唇に軽くキスをすると、彼女の腕が背に回された。口唇と口唇が触れたまま、和は吐息混じりに囁く。



「お前の兄貴とは違うけど……俺は今から、お前に酷いこと、するから」



 その言葉に、万里亜が緊張して息を飲むのが判った。その隙をついて、和は潤んで開いた粘膜に擦りつけ、奥へと一気に腰を進める。





「あ、あああ……っ!」




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