ブラッディマリー
5

消えない嘆き

 




 ──夜の闇は、冷たくて心地よくて好きだった。



 そこにいる間は、誰も自分を傷付けられないと思っていた。


 けれど闇は、時に気まぐれに牙を剥く。



 実際喰らい付かれるまで気付かないなんて、俺の頭、めでた過ぎるだろ。




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