ブラッディマリー
 


 白く、それでも血色のいい滑らかな肌。それだけで男を誘うような魅力を放つ万里亜の身体のあちこちに、痣があった。


 あらわにされた形のいい胸の頂点よりも、和は痣に目を奪われる。



「……出来るかよ」



 真上に和がのしかかる重みで少し沈んだ万里亜の身体が、小さく震えた。



「……気にしないで……いいから、続けて」


「何だよこれ。萎えるっつぅの……」


「お願い」



 声と同じように、万里亜の瞳が頼りなく揺れていた。その瞳は、確かにそれを求めている。


 けれど、何もその相手は自分でなくてもいいような気がした。


 それを不愉快に思う程自分は上等な人間ではないが、頭痛に苛まれているこの身体を慰みに使われるのは、今はごめんだ。

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