ブラッディマリー
 


「……親? 男?」



 遠慮なく胸の痣を指先で撫でてやると、万里亜は小さく声を漏らし、ぶるりと震えた。



「……どっちも……でも、どっちでもない……」



 潤んだ瞳と弾む呼吸。ろくに触れてもいないのに、万里亜の準備は整っているようだ。


 すっかり冷めてしまった自分の身体に再び火をつけるのは、そう難しいことではないだろう。けれど、もうそのつもりはなかった。



 はだけさせた万里亜の胸元を戻すと、和は深く溜め息をつき、立ち上がる。


 万里亜はそれを縋るような目で追うと、和の手を掴んだ。



「待ってよ、お願い……!」


「……もう、寝ろよ」


「いや!」



 和の手を握る万里亜の手に、力がこもる。


 そのままがたがたと震え出した万里亜は、和を見上げた。

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