ブラッディマリー
6

毒花

 


≪何故≫と、≪どうして≫。



 ここ最近一番に浮かぶのは、そんな子どものような言葉だらけだ。


 自分のさめた思考回路っていうのは、全てどうでもいいと思いながら生きてた中でも、案外気に入っていたのだと思う。


 だけど、俺のそういう無関心っていうのは、全てを知った大人だからというわけじゃない。


 全てを知ることに怯える、幼子のそれに近いものがあると思う。何だか今、急にそれを自覚した。



≪ほんとうのこと≫と対峙する時、人はこんなにも疲弊してしまうものなんだな。




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