ブラッディマリー
 

 万里亜はそれに上手に応えると、和の背に手を回した。キスの合間に、和は万里亜に訊ねる。



「……お前、どっちが欲しいの?」



 熱っぽい万里亜の瞳が、彷徨いながら和をとらえた。


 更に強く抱くことを促すよう、万里亜の指先に力がこもる。



「お前の兄貴と俺は──同じ?」



 何故、そんなことを訊いたのかは自分でも判らない。けれど、つい口をついて出た。


 一瞬躊躇った万里亜は、それでも和に身体を寄せる。



「和は……和は、澄人兄さんとは違うよ」


「他人だから?」



 乱れる呼吸のまま頭を振る万里亜。



「……和は……和は、あたしを助けてくれた人だから」



「だから、いいのか?」


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