ルシフェール Knight



「ユエ…?」


ユエがテーブルに手を打ち付ける。


「何なんだよ…さっきから聞いてれば…汚ねぇのはどっちだ…出てくべきなのはてめぇらなんだけど…?」



兵が黙る。


そしてユエは

「やっぱ、俺、行かないわ。」

と言葉を投げ捨てた。



「しかし、それでは…」


「目の前にある自尊心を守れない奴にゼウスから国を守れるわけがないだろ。」

「しかし、人の子…」


「俺は無駄なことはしたくないんだよ。」


兵の真ん中の人が唇を噛んで床に手を置き、頭を下げた。


「…すいませんでした。数々のご無礼をお許しください…」



兵は震える声で頭を下げ続けた。



< 4 / 9 >

この作品をシェア

pagetop