月と星と陽
ルーナいい声してる、と彼女は笑った。


彼女の名前はルナリア。


「あたし達名前似てない?ルーナとルナリア!」

そう言って彼女は私に水をくれた。


たくさん歌って喉がからからで

水を一口飲むと生き返った。



ルナリアは私にたくさん話しかけてくる。


髪に葉っぱがついてるよ
とか

細い体。もっと食べなきゃ
とか

他愛のないお話し。


でもとても楽しくて

こんなに誰かとお話ししたのは いつぶりだろうって
ぼんやり考えた。



「あたし、隣の町の店でよく歌わせてもらってんだぁ。家はこっちの村にあるけど。
また一緒に歌おうよ!」


と、ルナリアは言ってくれて私達は別れた。






家へ帰って

鏡を見つめた。

醜い色に染まっている背中に生えているものが映ってる…

今日見た彼女の澄んだ笑顔を思い出すと





そっと触れた

硝子が音をたてた
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