「好き」って言えたら。
恋愛初心者
「困った・・・・」
そう言って、溜め息をついたのは、私の親友、三谷 加奈。
「ふぁふぃが?」
メロンパンを頬張りながら、私は、加奈に視線を向けた。
「『ふぁふぃが?』って、何?!『何が?』でしょ!」
細かいなあ・・・
「ふぇふに、いーひゃん。」
「『ふぇふに、いーひゃん』じゃなくて、『別に、いいじゃん』ね。」
しつこいって・・・・・
「ふぃふこいよ~、はな~」
「『ふぃふこいよ~、はな~』じゃなくて、『しつこいよ~、加奈~』だよ・・・って、そうじゃなくて!」

「どこが、違うの?」
メロンパンを持っていた手をペロリとなめると、加奈は溜め息をつく。
「美波・・・あんたには・・・困ったよ・・・」
「何が?」
「身長!」
え?
「身長が、どしたの?」
「ちっちゃすぎるの!」
え?
「中三で、百三十センチ!普通なら、あり得ないの!」
そうなの?
「まあ、生まれた時から前ならえでは、毎年、腰に手だけど。そんなに気にする事?」
「気にする事なの!あんたは、気にしなさ過ぎ!普通身長のあたしだって、見下ろすしか無いんだから!」
そうなんだ・・・・・
「そう言えば、小学校の時のあだ名が、『豆』だった気が・・・」
加奈は、やれやれ、と溜め息をついた。
「やっと、気づいた・・・。」
「この制服、ある中で一番小さいやつだったみたい。それでも、私には、だぼだぼ。」
中三なのに、まだだぼだぼ・・・
もうすぐ卒業なのに!
「私だって・・・あと二十センチは欲しいけど・・・だって、私『豆』だもん。」
「何話してんの?」
突然、頭に重みを感じた。
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