ご主人と使用人

ご主人








「あはっ、すごーい!サイズいくつ?」


「……Gカップデス……」



食事が終わるなり私の部屋に来た凛々は、胸をたゆんたゆんしはじめた。


持ち上げてみたり、寄せてみたり、もう10分はこうしてる。


……よく飽きないな。



「ブラウスのボタンが飛んだ時は言ってね。私がつけてあげるから!」



なんて無邪気に笑う。


「う、うん……」



仲良くなれそう……もう仲良いのかな?


ちょっと変わった子だけど、接しやすい子でよかった。







「あっ、そういえば…

私、明様のお世話係にされちゃったんだけど、なにすればいいのかな?」


「えっ、明様の!?」



凛々は胸を触る手を止めて、目をキラキラさせた。



「う、うん……。

明様本人からそう言われたんだけど……

え?凛々はお世話しないの?」


「私だけじゃなく、他のメイドさんたちもしないよー」


「でも、求人のポスターに"世話係"みたいなこと書いてなかったっけ……?」


「あれはね、

明様たちに気に入られる人がいなかったから、新しく募集したんだよ」




どういうことだ?


いまいちここのシステムがわからないんだけど、

いくら広ーいお屋敷だからって、あんなに使用人はいらないんじゃないか、と。


他のメイドさんたちはお世話しないんなら、なにをしているのかと疑問に思った。




庭師にコックに守衛に運転手……それに執事。



それぞれの役割があるのに、世話係じゃなかったら一日中掃除でもしてろっていうの?









< 15 / 20 >

この作品をシェア

pagetop