アイ
瞼を撫でながら、自分が右目を閉じていたことに気付く。

今この瞼を開いたら、僕の右目は、やはり見えないのだろうか。

確認することが怖くて、しばらくぎゅっと瞼に力を入れていたが、やがてそうしていることが無駄に思えてきて、それよりは早く目玉を元の場所に戻した方がよいのではないかと考えるようになった。

そうだ、昔テレビでもやっていた、切断された腕はすぐにくっつければ元通りになると。

いや、あれは手術までの時間だっただろうか。


とにかく、と僕は自分の右目を手のひらに乗せると、意を決して右目を開いた。



すぐ目の前に自分の顔が現れて、僕はようやく叫び声を上げた。

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