アイ
ただ置いてるだけでは段々つまらなくなり、僕は床の上に目玉を置いて、左目を閉じると、手探りで目玉をちょんとつついてみる。

目玉はころんころんと転がり、視界はごろんごろんと回った。

ごろんごろん。

つられて体も転がりそうになるが、間違って目玉を潰してしまってはたまらないと、慌てて体を支える。

まるで目玉の中に閉じ込められたみたいだ。

面白がって転がし続けていたら、段々酔ってきた。

コーヒーカップと目玉は面白がって回し過ぎてはいけない。


一通り目玉で遊んだところで、またしても飽きてきた。

見慣れた部屋の中だけでは、さすがに限界があった。


しばらく考えた末、僕は久しぶりに部屋の外に出ることを決めた。


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