十五の詩



 同じ頃、イレーネの感覚に何かが触れてきていた。

(──あれ…?)

 この空気は──ユニス?

 講義中の教室内は教師の落ち着いた声だけが響き、雑音らしい雑音が少ない。

 その中で触れてきたものが何であるのかを正確にキャッチすることは、感度の高いイレーネには困難なことではなかった。

(よくわからないけど、ユニスの感覚経路がこちらに繋がっている──)

 イレーネは拾った指輪を持って来ていた。指輪かもしれない。それがユニスに思い入れのあるものなら、こちらに繋がるのも理解できる。

 でもその繋がった感覚はしばらくすると弱くなり、ふつりと切れてしまった。

 ユニスに何かあったのだろうか?

 講義はもうすぐ終わる。次の時間は空いているからユニスを探しに行こう。

 繋がった経路が切れてしまったことがイレーネを不安にさせ、ユニスを探しに行くことを決定させた。



     *



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