遠恋~君と恋をした日々~
「すみません。あたしやっぱり帰ります」


すっと立って、梅さんから離れて部屋のドアに手をかけた


「待って咲希ちゃん!いま逃げちゃだめだよ!
あたしもね、レイプに会って彼氏と別れたことがあるの。
でも、ずっと忘れられなかった。でもね、また出会ってあたしその人と結婚したの。
あたしみたいに、何年後に再会して、結婚することもあるけど・・・そんなの奇跡が起きない限りないわ
今幸せでしょ?凪と一緒に入れて幸せでしょ?ならその幸せを咲希ちゃん自身で守っていかなきゃ恋は崩れてしまうわ
現実から逃げないで、ちゃんと凪と話し合ってあげて」


お姉さんの話を聞いて、あたしは部屋から出た


本当は帰ってしまいたい


でも・・・帰ってしまえば前みたいな後悔が残ってしまう


本当は会いたくない


でも、昔みたいに一生会えなくなるかもしれない


絶対にもう自分の手で恋を終わらせたくない


凪との思い出を嘘にしたくない


「・・・凪」
「咲希!・・・もう大丈夫か?」


凪が目を拭いていた


涙を流していたの?


あたしのために・・・?


「凪・・・どうして泣いてるの?」
「咲希・・・怖かっただろ?俺、守れなかった。悔しくて」











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