遠恋~君と恋をした日々~
「そっそんなことない!!」


凪は悪くないのに、涙なんか流さなくていいのに


「大丈夫だから、あたしはもう大丈夫だから」


凪は傷つかなくてもいいのに


「凪・・・っあたしね?」


あたしは凪に、小学生からの性暴力


父からの虐待


母からの偏見


あたしが、施設にいる理由すべてを話した


話し終わった時には、あたしの目には再び大粒の涙が流れていた


涙で頬がぐちゃぐちゃになるぐらいに泣いていた


下を向いて静かに涙を流すあたしの姿を凪は静かに見ていた


どう思っただろうか


あたしを汚いって思っただろうか


あたしを軽蔑しただろうか


ねぇ、あたし今の状況で話してよかったんだよね?


間違ってなんかないよね?


「・・・汚いよね」


汚い。こんな穢れた体で凪とそばにいていいなんて思わない


お風呂場でどれだけこすっただろう


真っ赤になるぐらいにこすった














< 298 / 424 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop