イケメン御曹司の秘密の誘惑

数時間前に別れたままの妖艶な輝き。

―――比奈子……。

彼女は一点の曇りもない瞳で俺を離れた場所からジッと見ていた。

その顔には笑みも、悲しみも、躊躇いもない。

……どうして…、何故?

心に痛みを抱えているのは俺だけか?

今すぐに駆け寄り、君を抱き締めて、その全てを感じたいのは……

……俺だけなのか。


彼女のシャープなカクテルドレスから漂う色香がここまで届きそうだ。


俺は、堪らなくなって咄嗟に目を逸らした。

比奈子に全てを見透かされているような気持ちになる。

………俺の、狡く残忍な心を。

この縁談を白紙に戻すつもりなんてない。

だけど、比奈子を手離したくはない。


―――キミハタダ…オレノジョウネツヲ…
ウケトメレバイイ―――


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