触れることもできない君に、接吻を
「んん、でももう大丈夫だよ。寝てすごいすっきりした。気分爽快」

俺はふざけてそう言いながら、テーブルの上のからあげをつまみ、自分の口に放り投げた。
揚げ立てのからあげほど美味いものはない。

「だけど駄目よ。今日みたいなことがあったらどうするのよ」

俺はコップを棚から取り、水をその中にいれた。
そして水を一気飲みすると、ソファにもたれてテーブルにセッティングされている幾冊かの漫画に手を伸ばす。

これが俺の習慣。

「そうだ。ちょっと制服汚れたから、洗濯してくんね?」

俺は読んでいた漫画をテーブルに置き、制服をいそいそと脱いだ。
あの水溜りとかがある場所で寝転がったりしていたのだから、制服は相当汚れているだろう。
俺は脱いだ制服をソファにかけると、また漫画を手に取った。

そんなときだった。
母さんがぼんやりと口を開いたのは。
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