美しいあの人
全てにおいて西条祐治は商品として完璧だった。
本を出すたびに増刷がかかり、
サイン会が開かれ、
雑誌にインタビュー記事が載り、
テレビ番組のゲストに呼ばれ、
エッセイ執筆やドラマや映画化の打診も少なくなかった。

松井さんと芙美子さんは、祐治をうまく売るためにどこまで祐治本人を露出させるかの相談に余念がなかった。
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