美しいあの人
「ビジュアル面ではもう必要ないかもしれないぞ」
「戻ってきてもエリさんに心配をかけるだけかもしれないわよ?」
それでも構わない。
あたしはあの美しい人に側にいてもらえたらそれでいいのだ。
「それでもいいの。問題無い」
二人は納得はしていないのだろうけれども、あたしの提案をのんでくれた。
今後もあたしは西条祐治の小人さんで、
小人さんは本人の知らない間にこっそり仕事を進めておくのだ。

二人が部屋を出て行った後にマンションの窓から道路を覗いてみたら、
暗くなりかけた中で芙美子さんと松井さんが手を繋いで駅へ向かっているのが見えた。

嬉しくなった。
< 200 / 206 >

この作品をシェア

pagetop