カクテル~Parfait Amour~
彼女はぼくの手を離すと、かがんで顔を花に近づけた。
白い肌と薄いピンク色に染まったほほの色合いも、このバラに似ている。

「バラにキスした。」

彼女は立ち上がってぼくを見た。

「じゃあ、ぼくも。」

彼女はほほに、生まれて初めての口づけを受けた。
やわらかなバラ色に彼女のほほが染まる。

「私が、紅バラになっても白バラになっても、このままのバラでいてもいいの?」
「もちろんだよ。
何十年もたって枯れる時がくるまで、いや、枯れてしまったとしても、ぼくは大切にするよ。」

彼女はバラの花びらのような唇を指差して言った。

「なら、ここに、もう一度キスして。」

ぼく達はバラに囲まれて、誓いの口づけを交わした。
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