カクテル~Parfait Amour~
「あなたに出逢ってね、もちろん想い合った気持ちの全てを残すことなんてできないけれど、こんなに愛されたんだって、私たちを知らない人にも知らせたかったのかな。
未来の人がこのジュエリー・ボックスを見つけたら、きっと私たちに嫉妬するわね。」

ぼく達がこの世を去る時には、いったい何組のピアスがこのジュエリー・ボックスの中で眠っているのだろうか。
妻の言う通り、残されたピアス達を見た人は、ぼく達の強い想いを知るだろう。
何万年と時が流れたら、ぼく達の生きた証の物が、何一つ形をとどめていないかもしれない。
だけどそれでいいのだ。ぼく達が想い合った気持ちは、永遠に残るのだから。
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