Nocturne




ということは、今、私はここに残るか、高柳グループの引き抜きに応じるかの答えを出さなければならないのだ。



ねぇ、皇。

これはあなたに近づけたってことなのかな。


そうだとしたら嬉しい。

素直に喜べることだよね。


…だけど、この引き抜きは応じるべきなのか、応じないべきなのか、私は迷ってる。



どうして?

迷う必要がどこにあるの?


あの頃の私なら、喜んできっとこの話を受けてただろう。



だけど。

今の私はどうやら、あの頃よりばかになってるみたい。



だって、引き抜かれたくないと。

そう思ってるんだから。




「…少し、考えさせてもらえないでしょうか?」



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