Nocturne




竜也に尊敬の眼差しを向けられることが、今までなら嬉しかった。

…高校の時も、頑張れたのは、竜也にそんな視線を向けられていたからかもしれない。
普通なら、プレッシャーになることだけど、私は逆に嬉しくて。

ずっと竜也には尊敬されるような、そんなお姉ちゃんで居られるようにと頑張れた。


だけど。

今の私には、それが嬉しくないと感じる。

それはきっと、



「…そんなにすごいことじゃないよ、他にも取ってる人いっぱいいるし…」




…―――自分に自信がないから。




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