Nocturne




私の中で生まれてくるそんな疑問たち。

私は匡仙さんの『皇のことは忘れたのか』という質問に答えられずにいた。



じゃあ、『忘れられない』と言ったらどうなるの?

皇に会わせてくれるの?
皇と付き合うことを許してくれるの?

だけど、そんなこともう望んでないよ。



「私は皇と別れた日から、一度だって忘れたことなどありません!
…だけど、私はもう、皇には会いません」




ただ私は、



「…どうしてだね?君は皇に再び会うために―――」




もう、解放されたい。




「…確かに初めはそうでした。
皇に早く会いたい、皇の傍に居られるような人間になりたいと。
…―――だけどもう、辛い、苦しい。
見えない未来をもう、想像だけで終わらしたくないんです」




ただ、それだけなんだ。




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