Nocturne

あの日の決断は





高柳本邸に着き、私はすぐに匡仙さんのいる部屋…多分きっと客室に通された。




≪早速だが、皇と一緒に居たいということは、また、成瀬を降格してもいいのかね?≫

「…っ」

≪…どうなのかね≫




私は間違えない。

決めたんでしょ、樹里。


もう絶対に、同じ過ちは起こさないと。



けどどうしても、私の良心が揺らぐ。


―――本当にこれでいいのだろうか。

私は間違ってはいないだろうか。


私がこの決断をしたことによって、私以外の誰かが不幸になったりしないだろうか、と。



でも、私の出した決断は、



「…はい、私はもう、答えを間違えません」




あの日から恐れていた、決断を。

『降格してもいい』という、答えを出した。




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