ツンデレ王子さま
そして勢いよく、頭を上げた時
「―きゃっ!」
バランスを崩して、
後ろに倒れそうになった。
(フワッ)
―なんだか体が宙に浮いた感じがする。
ゆっくり目を開けると、
工藤くんと目が合った。
「…へ!?」
何が起こったんだろう。
ま、まさか!
私、今工藤くんに
『お姫様だっこ』されてるー!?
放心状態の私を見て、
工藤くんは、くすっと笑った。
そして私を下ろしてくれた。
「…ねえ、名前何て言うの?」
―工藤くんに話しかけられて、ようやく正気になった。
「お、緒方めいです!」