キスの後は・・・
「まあ、散らかってるけど入ってよ」


と、南はドアを開けた。


謙遜して言ったわけではない。本当に散らかっているのだ。


武も部屋に入るなり、すぐにそれを理解した。


「片付けられない女ってやつ」


南はそう言って持っていたカバンをポンと放った。


「ビールでいい?」


「うん」


武は落ち着かないように、部屋中を見回した。


「そういえば、まだ名前聞いてないよね?」


「そうだっけ?―――長澤南だよ」


そう言って武にビールを渡す。「いつまで立ってるの、座ったら?」


「うん。・・・なんか緊張するな」


「何よそれ」


南はプッと吹き出した。「女みたいなこと言うんだね」



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