涙空
それでもしつこく、その金髪はあたしに話しかけてきた。
「俺、荒井慶志(アライケイシ)って言うんだ。そっちは?」
次は自己紹介かよ…
仕方なくあたしは顔を上げた。
「泉水空…」
そう言ってまた下を向いた。
これでどっかに行ってくれるといいけど…
「空って言うのか〜よろしくな!!」
いきなり呼び捨てかよ…
もう、うっとおしい!!
「あのさぁ!!ずっとここにいないで友達のとこにでも行けば?」
あたしは早口で言った。
これでどっか行くだろう…
あたしは心の中で微笑んだ。
だけど荒井は…