俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

「これって…こんなことってあるにゃ!!??」


千鶴は悲鳴混じりに震えながら叫んだ。


美津子は屋上の入り口で腰を抜かして動けなくなっていた。


「有り得ないよ…だって…あおが空…飛んでて…砂の怪物と…宙に浮かぶ木と…」


「夢なんかじゃにゃい! だって…私たち、見たにゃ!」


普段の滑らかなコンクリートの屋上とはかけ離れた、まるで岩場の険しい山。

千鶴はひょいひょいと石づたいに飛び越えながら、美津子のそばに戻った。


「とにかく私たちが知っているあおじゃないってこと…にゃ」


< 139 / 353 >

この作品をシェア

pagetop