俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

指きりした小指を右手で抱え込む。


痛いほど。


痛いほど。


声が枯れるほど泣いたとしても。

生命を燃やして自分を主張するセミの声がうまくかき消してくれる。




(もう……何もかも…無理……無理だよおお!)



心の中の自分が叫んで、それから蒼は何かが壊れた。












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