俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「わわわ、私は別に」

「きゃあ、硬い!」

「こら! くすぐった――」

「私も触るぅ! きゃ、かったいにゃん」


先ほどの凍てつくような雰囲気が一気に賑わいを見せた。


「そんなに騒いだら見つかっ……ま、いっか」

美津子は苦笑いを浮かべながら、みんなのやり取りを眺めた。

「こんな幸せな時間…これでもう最後かもしれないもんね」


嬉しいような悲しいような、とにかく美津子の休憩は十分に確保できた。



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