はなこさんのみせ〔完〕
私が今、確信できることっていえば。

「おい、聴いているのか?」

もうこの場所にはいたくない。

「おい! まだ話は終わってないぞ」


走る廊下の窓から、小さく雷鳴が漏れるのを聞き逃してはいなかった。


けれど、私は足を止めるわけにはいかなかった。


わざわざ下駄箱で私を待っていてくれた友だちを振り切って、私は外へ飛び出した。


こんなときの友だちの言葉にも、私は正直うんざりしていた。



私が必要だったのは――……
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