ANGELCATS STORIES
それから一と月がたちました。

「あすか、まみちゃん、お母さんが帰ってくるぞ」

 病院から帰ってきたお父さんが嬉しそうに言いました。

「わぁー やったー」

 あすかもまみはもう大喜びです。

 翌日、あすかとまみは朝から玄関におすわりしてお母さんをまって


いました。
 カシャ、門をあける音が聞こえました。

「わぁー かえってきたー」

 あすかとまみは思わずさけびました。

玄関のドアが開いて、お父さんとお母さんがはいってきました。

お母さんはとても元気そうです。

「おかあさん おかえりなさい」

 あすかとまみはお母さんの胸にとびつきました。

「ふたりとも、おるすばんできてえらかったわね」

 お母さんはふたりを抱きしめてくれました。

「うふふ」
 あすかは嬉しそうです。

まみはお母さんの腕の中で、おかあさんおかえりなさいって何度も

何度も言いました。

 これからも、おかえりなさいが言えますように、まみは心の中で

祈りました。

「おかえりなさいおかあさん おかえりなさいおとうさん 

おかえりなさいあすかちゃん」

 そしてまみは小さい声でそっと言いました。

「おかえりなさい まみちゃん」

 その夜、あすかとまみがパトロールにでかけると、かすかな美しい

光のむれが、くらいお部屋の中をほたるのようにとびまわっていました。

「まみちゃん みえる?」

 あすかがまみのそばにきて、そっとささやきました。

「ほら おうちのなかは まみちゃんのおかえりなさいが いっぱい」
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