僕の心

ナイフ

君は僕を傷つけたくない
と言う
その手にはナイフを持ちながら
ナイフで僕の心を刺す

君は簡単に僕を傷つける
だから 僕は気を抜かない
君のナイフから身を守るために

君の言葉一つに
何通りもの可能性を考え
最悪の最悪…一番最低
そこまで考える
君のナイフで一突きにされない
そのために…

君は傷つけたく無いという
けれど
それは自分が傷つきたくないから
人を傷つけた事実で
自分が傷つくから…

自分自身を守るために
ナイフを持ち
そのナイフで人を傷つける

「君が脆いのは知ってる」
うん…でもその手にあるのは
ナイフという凶器
「人を傷つけたく無い」
うん…でも人は人を傷つける
時に無意識で
「君を…」
その言葉には飽きた
僕を引き合いに 結局保身
僕のことなんて
これっぽっちも考えてない

自己中心
自分で分かっていながら
多分 一番分かっていない

僕を傷つけていると言いながら
それほど傷つけていると
思っていないだろう

僕を脆い人間と言いながら
そのナイフで簡単に刺す
脆いだなんて思ってないでしょ

結局…
君自身が自分だけを助けたい
ただ その我儘を
見たくないだけなんだ
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