メロンパンにさようなら

期限


『高見くん、今度の天体観測には参加するの?』

『高見先輩、一緒に火星見ませんか?』



天文部に、この人、高見翔が入ってきてから女子部員の出席率が、急に高くなったと感じるのは、私だけだろうか。


先月まで、殆んど顔を出していなかった女の子たちが、一気にやってくるようになった。



【高見効果】

と、部長がネーミングした通り増えた女子部員たちは

彼と話がしたい
彼に近づきたい

といったような“高見翔”目当てで来ている人たちに感じるのは、私だけではないはず。



当の本人は、知らん顔して本当に星に興味があるのか、部長から借りた分厚い図鑑をいつも眺めているんだけれど。



今日は、今週末にある天体観測について、細かい打ち合わせの日。

夕方6時に学校に集まり、天体観測をすることになっている。


望遠鏡が、4つしかないので、誰がどの望遠鏡を使用するのか、班分けを決めるんだけれど、女子部員の皆は、高見翔と一緒になりたいらしく、こうやって煩く騒いでいる。

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