メロンパンにさようなら

恋心



それから三日後の天体観測の日。


先日のことがあったから、どんな顔をしてアイツと会ったらいいのか、正直、顔を合わせづらい。


集合時間ギリギリの6時に集合場所である地学室へ行くと、既に殆んどの部員が来ていた。

教室を見回し、彼の、高見翔の姿を探している自分がいることに気付く。


何してんだろ、私。


『まだ、高見くん来ないの?』


教室の何処かで、誰か女子生徒の声がした。

その声で、まだここには来ていないんだと分かり、顔を合わせなくて済んでほっとしている自分と、会えなくて寂しいって思っている自分がいる。


ほんと、私、何やってんだろう。

今の私、彼を見てキャーキャー騒いでいる周りの女の子と同じだよ。


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