異世界転入生
(迷ったら、看板に来てもらって…
とりあえず、この方向に飛ぶか)

ユウはホウキを取り出し、浮かび上がる
すると、それに呼応するように看板もフワフワ浮き上がる

「?…見えやすいように一緒に上昇するのかな?
まぁ、方向くらい一度見たら忘れないけどね…」

そう言って、出発する
すると、看板もユウのスピードに合わせて横を並走する

「…まさか…目的地に着くまで、サポートしてくれる…みたいな?」

もちろん、そのユウの問に看板が答えてくれるわけはなかった
後に知る事になるが、看板に音声をつけたら
カーナビよろしく、音声で案内してくれる看板や
会話の成立する看板もある
ともかく、この看板のおかげもあり、方向には迷わずに済んだ
というより、飛んでいるので、基本障害物もなく
目的地まで一直線に移動出来た
そして、看板の案内に従い、大きな噴水のある広場のような所に降り立つ
すると、看板は役目を終えた…とでも言うようにいなくなった

「ココがレーヌ通りなんだ…」

周りをキョロキョロ見回すと、お店のような建物が石畳の道を挟んで両側に
ずらりと並んでいる
そして、沢山の人が行き来している
基本的にユウと同じ人間の姿だが、時々クラゲのような生き物や
獣が二足歩行している姿も見られた

(…ココがファンタジーっぽいから、違和感はないけど…
これ、普通に驚くよね)

ユウは少し目を見開き…しかし、冷静に分析していた
意外と冷静だったのは、コスプレを見ている感覚になっているからだろう

(学校で、あんなの見た事ないけど…
まぁ、その辺はライナやユリンちゃんに聞いたらいいかな…)

分からない事は、とりあえず聞くしか解決方法が無いので
その場での解決を諦め、2人を待つ
広場にある大きな時計を確認すると、25時を指していた
予定の1時間も前に到着してしまったようだ

(ま、遅刻するよりマシだよね)

1時間、何をして時間をつぶそうか…と考えていると

「あ、ユウちゃん、早い到着だったのですね」

上空からユリンの声がし、見上げてみると、やっぱりユリンがいた
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